2014年12月23日
YUCARIの新連載で、12月7日、今年世界産業遺産に登録された群馬県の富岡製糸場を取材。この日は、小春日和を感じさせる過ごしやすい季候。12月というのに、訪れる観光客はまだまだ多い。
富岡製糸場は、明治新政府の殖産興業政策の一環として始まり、洋式機械による品質の向上と大量生産を実現して多額の原資を稼ぎだし、わが国近代化の担い手となった。今なお残る当時の建築群は近隣の関連諸施設とともにその歴史的、文化財的価値が認められ、2014年、日本では18件目の世界遺産として登録されたものだ。
明治5年の創業ということを考えると、素晴らしく近代的な工場で、明治政府の力の入れようが想像できる。 富岡製糸場と絹産業遺産群に対する評価は、まず技術革新により大量生産を実現して世界に廉価な絹製品を広めたことだろう。国内では、富岡製糸場が模範工として機械設備や技術の伝播、帰郷した工女たちの指導者としての活躍、ほかにも合理的な工場経営に労働環境や労使関係の整備などが挙げられる。
今日、絹産業界は衰退の方向にあり、関連遺産の消失も始まっている。それだけに今後の富岡製糸場には、日本の伝統的な絹文化を継承する拠点としての役割が期待される。
(レポート・藤沼祐司さん 撮影・青柳健二さん)
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