2012年10月18日
ザ・クッカーズ@Cotton Club。ビリー・ハーパー(ts)を中心とした4管セプテットが、同店に初出演。オープニング曲ではフロントが順にソロを取り、ソロ終わり近くで他の3管が合奏リフでバックアップするアレンジでリレー。久々に観たジョージ・ケイブルス(p)はマッコイ・タイナーばりの速弾で、バンド・コンセプトに貢献。MCはデヴィッド・ワイス(tp)が務めた。最新作『Believe』は顔ぶれの割りに、出来は今ひとつだったが、今夜はそれを挽回するステージだった。●エディ・ヘンダーソン(tp)、クレイグ・ハンディ(as)、セシル・マクビー(b)、ヴィクター・ルイス(ds)。
急いで新宿へ移動し、ボブ・ロックウェル@ピットイン。以下に「ジャズジャパン」12月掲載のライヴ・レポートを転載する。
■1945年アメリカ生まれのボブ・ロックウェルは、83年にデンマークへ移住し、それ以降に本格的なソロ・キャリアを築いた。リーダー作がヨーロッパのレーベルから多数リリースされていることもあって、現在では北欧のサックス奏者のイメージが定着している。2006年に現地人とのカルテットで来日したロックウェルは今回、邦人3人とカルテットを編成。うちベースの荒巻とは2004年に横浜で共演したステージが、ライブ・アルバムになっている間柄だ。男性的で骨太な音色によってテナーをテナーらしく鳴らすのが持ち味であり、それは終盤にドラムスと熱い応酬を繰り広げたオープニングの自作曲<トリオロック?>から、早くも明らかになった。セロニアス・モンク曲を好んで取り上げてきたロックウェルが、今夜はモンクらしいユーモラスでよじれたメロディを表現するのに最もふさわしい楽器を駆使して、<グリーン?>を吹奏。フランスの映画監督・俳優のジャック・タチに捧げた<ア・リトル・ビット?>では、途中テンポアップする場面転換を導入し、最後はピタリと着地してみせる。セカンド・セットでは意外な選曲を聴いた。作曲者ビル・フリゼールのバージョンでは昭和歌謡と重なる曲調だった<ストレンジ?>を、リズムをアレンジしてワイルドにブロウ。自信を持って自身のレパートリーへと組み込んだ。「これはボサノバではない」と前置きした上で始めたアントニオ・カルロス・ジョビン曲<太陽の道>は、曲調はサンバで、やはりロックウェル流を崩さないプレイ。ジャズ・テナーのボサ=スタン・ゲッツのイメージとは違う、ということをアピールしたかったのかもしれない。各セットの最後は84年のリーダー作に収録のブルース<ソニーズ?>をテーマ曲に、メンバーを紹介。「初共演によってお互いを発見することがとても嬉しい」と、好演で応えてくれた3人のサイドメンに対する感謝の気持ちを表した。
■Setlist:1st ?トリオロック・チュニジア・ノマド ?ソー・ナイス ?グリーン・チムニーズ ?デイ・ドリーム ?ア・リトル・ビット・オブ・ノワール?テーマ(ソニーズ・バック)2nd ?マーマデューク ?ストレンジ・ミーティング ?ラブ・レター ?太陽の道?テーマ(ソニーズ・バック) ?オブリビオン
■Personnel ボブ・ロックウェル(ts)、小野孝司(p)、荒巻茂生(b)、力武誠(ds)
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