2009年02月26日
ここ数年、欧米で新人ジャズ・ヴォーカリストが続々とシーンに登場する傾向が顕著になっている。新人とは言えないが、先頃本邦デビュー作『実りゆく季節』をリリースしたレベッカ・マーティンも、そのような日本でのニュー・フェイスに位置づけられよう。レベッカ(vo,g)、カート・ローゼンウィンケル(g)、ラリー・グレナディア(b)、ブライアン・ブレイド(ds)のレコーディング・メンバーのうち、ドラムスがダン・リーザーに代わった4人編成で「Cotton Club」に出演した。これまでのアルバムを振り返ると自作曲を中心としており、今世紀に入って大きな流れが生まれたポップス/フォークの要素を吸収したシンガー・ソングライターということになる。グレナディアがプライヴェートでのパートナーということも手伝って、NYサブ・メインストリーム派との人脈を築いている印象もあり、そのあたりのイメージと実像を確認する好機とも考えていた。
アコースティック・ギターを奏でながら歌うプログラムは、自作曲を主体としたもの。次々と楽曲が進むにしたがって、普段着姿のレベッカにNY直送と言うよりも彼女が生まれ育ったメイン州ポートランド時代の姿が想像上で重なった。言い換えれば“カントリー・ガール”のイメージだ。「ラッシュ・ライフ」「バット・ノット・フォー・ミー」といったスタンダード・ナンバーも取り上げて、構成のフックになったのが収穫。ローゼンウィンケルとグレナディアがサポート役に徹したことに、レベッカへの愛を聴いた。
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