Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
ベルリンを拠点にするユニークなトリオ
2009年10月11日
ドイツ文化センター所長ウーヴェ・シュメルター氏のお招きを受けて、五反田のご自宅でのブランチに参加。同センターが来日公演を協賛した関係で、ベルリンを拠点に活動するユニット=ジョニー・ラ・マラマを交えた会となった。約10名の会は多くが初対面の方々で、良い出会いの場の雰囲気。以前ホテルのシェフを務めていたというシュメルター氏がふるまってくれたお料理に舌鼓を打ちながら、様々な文化的話題を交わした3時間であった。
一旦帰宅して、夜に新宿「ピットイン」へ。ジョニー・ラ・マラマ公演の2日目を観る。フィンランド出身のギター+アメリカ出身のベース+ドイツ出身のドラムスという多国籍トリオ。しかし彼らはジャズのギター・トリオとはかなり音楽性が異なる。フリー・ジャズ、ロック、メタル、ドラムンベースを吸収したサウンドは、聴き手の予想を裏切りながら、ジャンルレスな音楽空間を醸し出す。勝手気ままに展開しているように見えて、テンポ・チェンジを含めて実は緻密に計算されたもののようだ。事前に彼らの音楽を聴かずにステージに接したのだが、終演後にメンバーから受け取った最新作『Bicycle Revolution』を聴いて、その感を強くした。来年はさらに大きなステージで再来日してくれるかもしれない。