Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
カリスマ・ギタリストが丸の内に登場
2009年10月08日
パット・マルティーノ・カルテット@Cotton Club。近年はオルガン入りのトリオで活動し、来日公演も重ねているマルティーノが、今回は人気テナー奏者エリック・アレキサンダーを帯同して、ステージに立った。エリックはマルティーノの98年作『ストーン・ブルー』で初共演した間柄。その後の10年間でエリックは飛躍的にステージ・アップしており、それゆえに贅沢感の漂うクラブ・ライヴとなった。1音1音を明確に刻みながら流れを生み出すギター・プレイは、マルティーノならではのもの。「アップタウン・ダウン」などテーマをギター&テナーのユニゾンで奏でるオリジナル曲が多く、エリックとの良好な協調関係を聴かせてくれた。終盤に進むと、エリック抜きのバラード「ラウンド・ミッドナイト」や、ミディアム・テンポの「アローン・トゥゲザー」といったスタンダード・ナンバーも飛び出し、ステージと客席の距離がさらに縮まった。アンコールでウエス・モンゴメリー曲「フォー・オン・シックス」が始まると、一瞬のうちに「待ってました!」の雰囲気に。たっぷり1時間半のパフォーマンスを堪能した。