Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
老舗日米トリオが恒例のジャパン・ツアー
2007年11月20日
山下洋輔ニューヨーク・トリオ@草月ホール。毎年この時期に開催されるので、秋が深まったことと同時に、ボジョレ・ヌーヴォの季節なのだとも感じる。山下NY3は来年で20周年を迎えるという。日本人ピアニストとアメリカ人2リズムによるトリオは、この間レコーディング&ライヴの継続ユニットとしては小曽根真、藤井郷子など数組が確認できる。しかし現在まで定期的に運営してきた山下は、このジャンルでの最長寿トリオとして賞賛されるべきだろう。ツアー最終日となる今夜は、ゲストの川嶋哲郎(ts)が交通事故のため出演がキャンセルされるアクシデントが発生。そのためプログラムと編曲の変更を余儀なくされなかったことは想像に難くない。ニューオリンズをテーマにしたセカンド・ライン曲では、ドラム・ソロの時に山下が観客に手拍子を促し、会場全体に一体感を生んだ。ラストは定番曲の「クルディッシュ・ダンス」。アンコールの「マイ・フェイヴァリット・シングス」ではテーマ・メロディを圧縮したアレンジで、NY3流を印象付けた。ゲストの不在は、トリオの原点を確認させる効用が山下にあったのではないだろうか。この後スタジオ・レコーディングに入るということで、来年リリースの記念作に期待が高まる。